トンデモな世界

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(4)ギター


とにかくうちの空想ジジイには、家族みんなが振り回されっぱなしだ。

いろんなことを改めて思い出しながら苦笑し、俺は部屋に置いてあるギターを手に取ると、自分のパートの練習を始めた。

高校文化祭でバンド演奏をやる日時が近づいている。

「お、やっとるな」

いつのまにかじいちゃんが目の前に立っている。

さっきまで庭先で声張り上げていたのに、歳のわりに動きは機敏だ。

「じいちゃん。人の部屋に入る時はノックぐらいしてよ」

「わはは」

「高校生にもなったら色々とプライバシーもあるんだからさ」

「どれ、わしとジャムるか」

じいちゃんはもう一本置いてあったギターを取ると、ブルースのスリーコードを弾きだした。

「しょうがないな。付き合うか」

俺は、じいちゃんとワンコーラスずつのソロを交互に弾き合った。

じいちゃん、空想好きだけど、ギターはまあまあうまい。

俺がギターを弾き始めたのもじいちゃんの影響だし、色々と教えてもらった。

「ワシも、そろそろまた武道館でライブをやるかな」

「あ、もう、その空想話は何回も聞いてるから」

「空想とはなんじゃ。本当の話じゃぞ」

「はいはい。わかったよ」

「とにかく、大勢のオーディエンスの前でやっとるつもりになりきらないと、いい音は出ないぞ」

「イメージ力だね」

「そう、夢のために大切なのは想像力じゃ」

「空想ジジイの口ぐせだね」


悪態ついてるように見えるかも知れないけど、わかるだろ。

俺が、このじいちゃんをどれだけ好きかってこと。

じいちゃんはいつも夢の大切さを教えてくれる。

おっと、今日はデートの約束があるんだった。

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